概要

ETFの分配金を楽天銀行で受け取ることが、楽天銀行のハッピープログラムの会員ステージを上げるのに直接的に「株式配当金受取プログラム」を通じて貢献することはありません。このプログラムは主に株式の配当金を対象としており、ETFの分配金は対象外とされています。

しかし、ETFの分配金が「他行からの振込」として扱われる場合、ハッピープログラムの取引件数としてカウントされる可能性があります。ただし、これには条件があり、常にカウントされるとは限りません。

詳細レポート

楽天銀行ハッピープログラムについて

楽天銀行のハッピープログラムは、エントリーするだけで取引ごとに楽天ポイントが貯まったり、ATM手数料や振込手数料の優遇が受けられたりする顧客優遇プログラムです。プログラムには「ベーシック」「アドバンスト」「プレミアム」「VIP」「スーパーVIP」の5つの会員ステージがあり、ステージが上がるほど特典が充実します。

ハッピープログラム

会員ステージは、「毎月25日終了時点のお預かり資産残高」または「前月26日~毎月25日の対象商品・サービスのお取引件数」で決定され、どちらか条件をクリアしている高い方のステージが翌月1日から適用されます。楽天証券の取引もマネーブリッジ設定とハッピープログラムへのエントリーにより、取引件数にカウントされます。

株式配当金受取プログラムとETF分配金

楽天銀行には、「株式配当金受取プログラム」という常設のプログラムがあります。これは、楽天銀行口座で株式配当金を受け取ると、1件につき10円の現金がプレゼントされ、さらにハッピープログラムの取引件数としてカウントされるため、会員ステージアップにもつながるというものです。

株式配当金を楽天銀行口座で受け取ると・・・件数に応じてもれなく現金プレゼント

しかし、この株式配当金受取プログラムは、ETFの分配金は対象外と明記されています。したがって、ETFの分配金を受け取っても、このプログラムによる10円のキャッシュバックや、これを通じたハッピープログラムの取引件数としてのカウントは期待できません。

ETF分配金とハッピープログラム取引件数

ETFの分配金が株式配当金受取プログラムの対象外であっても、ハッピープログラムの取引件数としてカウントされる可能性は残されています。

楽天銀行のハッピープログラム対象サービス一覧によると、「他行口座からの振込」は、振込があった日ごとに取引件数1件としてカウントされます。ただし、以下の点に留意が必要です。

  • 「株式配当金」扱いの振込: ポイント進呈の対象外ですが、取引件数は1件ごとにカウントされます。
  • 一般振込扱い: 振込元の金融機関がETF分配金を楽天銀行へ「一般振込扱い」で振り込んだ場合は、「他行口座からの振込」としてポイント進呈の対象となり、取引件数も振込のあった日ごとに1件とカウントされます。
  • 「配当金」電文以外: 株式配当金受取プログラムは「配当金」電文で振り込まれるものが対象ですが、それ以外の振込種目で配当金(ETF分配金も同様の扱いになるか)を受け取った場合は、「他行口座からの振込み」としてハッピープログラムのポイントが進呈される(取引件数もカウントされる)とされています。

したがって、ETFの分配金がどのような形で楽天銀行口座に振り込まれるか(「株式配当金」扱いか、「一般振込」扱いか、など)によって、ハッピープログラムの取引件数としてカウントされるかどうかが変わってきます。

NISA口座利用時の注意点

NISA口座でETFを保有し、その分配金を非課税で受け取るためには、配当金の受取方法を「株式数比例配分方式」(証券口座で受け取る方式)に設定する必要があります。

一方、楽天銀行の株式配当金受取プログラムを利用したり、銀行口座で直接配当金を受け取るためには、「登録配当金受領口座方式」(指定した金融機関口座で受け取る方式)を選択し、楽天銀行を指定する必要があります。この方式を選択した場合、NISA口座で買い付けた上場株式の配当金等であっても非課税とはならず、源泉徴収が行われます。ETFの分配金も同様の扱いになる可能性があるため、NISA口座の非課税メリットを活かしたい場合は注意が必要です。

結論

ETFの分配金受取は、楽天銀行の「株式配当金受取プログラム」(1件10円の現金プレゼントと取引件数カウント)の直接的な対象とはなりません。

ただし、ETF分配金が「他行からの振込」として楽天銀行のハッピープログラムの取引件数にカウントされる可能性はあります。これは分配金の振込方法(電文の種類など)に依存します。「株式配当金」として振り込まれた場合はポイント対象外ですが取引件数にはカウントされ、一般の振込として扱われた場合はポイントも取引件数も対象となる可能性があります。

NISA口座でETFを運用している場合、分配金を非課税で受け取るためには受取方法の選択に注意が必要です。楽天銀行口座での直接受取を選択すると非課税メリットを享受できない可能性があります。