知財×AIデイリーレポート(2026年9月9日配信)

知的財産×AI:デイリーニュース要約

対象期間:2026年9月8日公開・発表分


💡 昨日(9/8)の注目ニュース

1. 【特許審査・米国§101実務】USPTOにおけるAI特許審査の最新実務分析:機能的クレーム(Functional Claiming)の排除と「定量的技術改善」の明記基準

米国特許商標庁(USPTO)におけるAI・ソフトウェア関連出願の拒絶動向に関する実務分析レポート(XLSCOUT等)が昨日公開され、Section 101(Alice適格性)拒絶を回避するための最新ドラフティング基準が整理されました。

  • 審査の核心と注意点: 「機械学習を用いてデータを分類する」といった単なる目的・機能のみを記述する機能的クレーム(Functional Claiming)は、依然として40%以上の確率で§101拒絶の対象となります。適格性を満たすためには、特定のデータ構造、パラメータ変換ロジック、ハードウェア制御における「測定可能な技術的改善(Specific Technical Improvement)」を請求項と明細書に不可分に組み込むことが必須要件とされています。
  • 知財防衛への示唆: 出願時における多言語先行技術(JPO/KIPO/EPO/CNIPA公報)の事前スクリーニングと、クレーム構成要件ごとの論理的対応付けが、登録後のPTAB無効審判(IPR)を耐え抜く絶対条件となっています。

2. 【商標・生成AIアイデンティティ】AIによる「音声・パッケージ・ブランド模倣」への対抗:商標権・トレードドレス活用の国際的台頭

生成AIによる音声クローンやパッケージ意匠の数秒での高精度複製(ブランドなりすまし)が深刻化する中、著作権法のみに頼らず「商標法・トレードドレス」を活用した権利防衛実務レポートが国際知財専門機関(Global Law Experts等)より公表されました。

  • 法理と制度改正: 生成AIの出力物は単一の著作物の直接コピーではなく「特徴の合成再構成」であることが多いため、著作権侵害の立証が難航するケースがあります。これに対し、音商標(Sound Marks)やトレードドレス(商品外観・パッケージ)の登録網を敷くことで、出所混同を理由とする即時差止め・不法利得回収ルートを構築する戦略が主流化しています(中国商標法改正に伴う異議申立期間短縮への対応等も含む)。

3. 【著作権・エンタメ/出版】ハリウッドおよび大手出版社、対立から「著作権保護型AIツール」導入・正規ライセンス協調へ

大手映画スタジオや大手出版社がAI開発企業に対する著作権侵害訴訟を継続する一方で、Googleやプラットフォーム企業が著作権保護・正規許諾を前提とした「クリエイター向けAI制作支援ツール」や「著作権配慮型電子書籍アプリ」の提供を本格化させている動向が報じられました。

  • 知財の視点: 「無断学習の全面否定」から「正規ライセンス契約と収益分配エコシステムの構築」への移行が進んでおり、AI事業者が市場で生き残るためには、データセットの権利所在が完全にクリーンであることを証明できる透明性基盤が取引の前提条件となっています。

4. 【データ知財・アセット化】Datavault AI、データ知財およびAIインフラの商用取引エクスチェンジ基盤の展開を発表

AIデータ資産化ソリューションを手掛けるDatavault AIは9月8日、企業が保有する構造化データや独自モデルの知的財産権を保護・評価し、セキュアに取引・連携できる3つのエクスチェンジプラットフォームを正式ローンチすると発表しました。

  • 実務上の意義: 自社特有の製造データや知財ノウハウを外部に流出させることなく、暗号化・権利証跡を付与した上でアセット(無形資産)として活用・収益化するインフラの整備が進んでいます。