伊勢神宮(正式名称:神宮)は、日本の神社の中心であり、「日本国民の総氏神」として崇められる、約2,000年の歴史を持つ極めて特別な存在です。

1. 皇大神宮(内宮)のご鎮座

伊勢神宮の最も尊い中心が、主祭神として**天照大御神(あまてらすおおみかみ)**をお祀りする皇大神宮(内宮)です。

  • 宮中祭祀から御鎮座へ: 元々、天照大御神は天皇の住まいである宮中(皇居)でお祀りされていました。しかし、第10代崇神天皇の時代に、宮中外に神様をお祀りすることが決められます。

  • 鎮座地の探求: その後、第11代垂仁天皇の皇女である**倭姫命(やまとひめのみこと)**が、天照大御神の鎮座地を探して各地を巡りました。

  • 五十鈴川のほとりへ: 倭姫命が伊勢の地に至った際、天照大御神から「この**五十鈴川(いすずがわ)**の川上に永遠に鎮座したい」というお告げを受けました。

  • 創建: これにより、およそ2,000年以上前の垂仁天皇の御代に、五十鈴川のほとりに内宮が創建されたのが伊勢神宮の始まりとされています。

2. 豊受大神宮(外宮)のご鎮座

内宮から約500年後の第21代雄略天皇の時代に、豊受大神宮(外宮)が創建されました。

  • 御饌都神(みけつかみ)の必要性: 雄略天皇の夢の中に天照大御神が現れ、「一人では食事が安らかにできないため、**豊受大御神(とようけのおおみかみ)**を近くに呼び寄せてほしい」というお告げがあったと伝えられています。

  • 丹波からの遷座: 豊受大御神は、天照大御神のお食事を司る御饌都神であり、衣食住や産業の守り神です。このお告げにより、丹波の国(現在の京都府北部)から伊勢の地に迎えられ、内宮から少し離れた場所に外宮が建てられました。

3. 神宮の全体構成

現在の「伊勢神宮」とは、内宮・外宮の二つの正宮を筆頭に、別宮、摂社、末社、所管社を含めた125のお宮の総称です。

伊勢神宮は、これらの宮社を20年に一度新しく建て替える「式年遷宮(しきねんせんぐう)」を約1300年にわたって続けており、その伝統と精神を今に伝えています。