概要

2025年9月9日(日本時間10日)に開催されたAppleのスペシャルイベント「Awe dropping.」では、iPhone、Apple Watch、AirPodsの各製品ラインにおいて大幅な刷新が行われた。iPhoneでは、従来のPlusモデルに代わり、史上最薄となる新モデル「iPhone Air」が登場し、ラインナップが4機種構成に再編された。全モデルでProMotionディスプレイやカメラ性能の向上が図られている。AirPods Pro 3は、ノイズキャンセリング性能を飛躍的に向上させるとともに、新たに心拍数センサーとAIを活用したリアルタイム翻訳機能を搭載し、単なるオーディオデバイスから多機能ウェアラブルへと進化した。Apple Watch Series 11は、バッテリー駆動時間の延長や5G対応、睡眠スコアといった健康管理機能の強化が図られた。これらの新製品は、デザインの刷新、健康機能の可視化、そしてプロフェッショナルな利用シーンへの対応を一層推し進めるAppleの方向性を示している。

詳細レポート

イベント概要と新OS

Appleは日本時間2025年9月10日午前2時より、新製品発表イベントをオンラインで開催した。イベントのテーマは「Awe dropping.(言葉にできないほどの驚き)」とされ、その名の通り、製品ラインナップに大きな変革をもたらす発表が相次いだ。また、これらの新デバイスには、WWDC 2025で発表された新UI「Liquid Glass」を採用したiOS 26およびwatchOS 26が搭載される。

Apple Event 2025の招待状

iPhone:ラインナップの再編と「Air」の登場

2025年のiPhoneは、スタンダードモデルの「iPhone 17」、史上最薄の「iPhone Air」、そしてハイエンドモデルの「iPhone 17 Pro」「iPhone 17 Pro Max」という4つのモデル構成に刷新された。これにより、従来のPlusモデルは廃止され、薄さと大画面を両立する「Air」が新たな選択肢として加わった。

iPhone 17

スタンダードモデルであるiPhone 17は、Proモデル専用だったProMotionテクノロジーを初めて採用し、最大120Hzのリフレッシュレートに対応した。ディスプレイは6.3インチに大型化され、輝度も向上している。

前面と背面をそれぞれ示している、2台のiPhone 17

主な特徴:

  • ディスプレイ: 6.3インチ Super Retina XDR、ProMotionテクノロジー(最大120Hz)、最大輝度3000ニト。
  • プロセッサ: A19チップを搭載し、パフォーマンスが向上。
  • カメラ:
    • リアカメラ: 48MPのメインカメラと48MPの超広角カメラで構成されるDual Fusionカメラシステムを搭載。メインカメラは光学2倍望遠機能も統合している。
    • フロントカメラ: 新開発の18MP「センターフレームフロントカメラ」を搭載。正方形に近いセンサー形状により、端末を縦に持ったままでも横長の撮影が可能になる。
  • デザインと耐久性: 前面には耐擦傷性能が3倍向上したCeramic Shield 2を採用。アクションボタンとカメラコントロールも搭載される。
  • ストレージ: 最小容量が前世代の2倍となる256GBからとなり、512GBも選択可能。
  • カラー: ブラック、ラベンダー、ミストブルー、セージ、ホワイトの5色展開。

iPhone Air

今年の発表で最大の注目を集めたのが、厚さわずか5.6mmというiPhone史上最薄のデザインを実現した「iPhone Air」である。薄型軽量ながら、グレード5のチタニウムフレームと、前後両面に採用されたCeramic Shield(前面はCeramic Shield 2)により、高い耐久性も確保している。

「AIR」の文字の間に置かれたiPhone Air

主な特徴:

  • デザイン: 厚さ5.6mm、重量165gの極薄軽量デザイン。
  • ディスプレイ: 6.5インチ Super Retina XDR、ProMotionテクノロジー(最大120Hz)。
  • プロセッサ: Proモデルと同じA19 Proチップを搭載。さらに、Wi-Fi 7やBluetooth 6に対応する新しい通信チップ「N1」と、電力効率を向上させたセルラーモデム「C1X」も搭載する。
  • カメラ: 48MPのDual Fusionメインカメラを単眼で搭載し、光学2倍ズームに対応。フロントカメラは18MPのセンターフレームフロントカメラ。
  • バッテリー: 内部アーキテクチャの最適化により「一日中使えるバッテリー」を実現。
  • その他: 全世界でeSIMのみの対応となる。
  • カラー: スペースブラック、クラウドホワイト、ライトゴールド、スカイブルーの4色展開。

iPhone 17 Pro / Pro Max

最上位モデルのiPhone 17 ProおよびPro Maxは、デザインを刷新し、パフォーマンスとバッテリー性能を最大化することに注力している。本体は従来のチタンからアルミニウムの一体構造ユニボディに変更され、内部にはベイパーチャンバーを搭載することで放熱効率が大幅に向上した。

iPhone 17 Proの背面のクローズアップ

主な特徴:

  • ディスプレイ: Proが6.3インチ、Pro Maxが6.9インチのSuper Retina XDRディスプレイを搭載。
  • プロセッサ: A19 Proチップを搭載し、iPhone史上最高のパフォーマンスを実現。
  • カメラ:
    • リアカメラ: 広角、超広角、望遠の3つすべてが48MPセンサーとなり、iPhone史上最長となる光学8倍ズーム(35mm判換算200mm相当)に対応した。
    • フロントカメラ: 他モデル同様、18MPのセンターフレームフロントカメラを搭載。
  • ビデオ機能: ProRes RAWやApple Log 2、複数カメラの同期を行うGenlockなど、プロの映像制作者向けの機能が強化された。
  • デザイン: 背面カメラ部分が横長のデザインに変更され、本体背面にもCeramic Shieldが初採用された。
  • カラー: ディープブルー、コズミックオレンジ、シルバーの3色展開。

iPhone 17シリーズ スペック比較表

モデルディスプレイプロセッサリアカメラフロントカメラ主な特徴
iPhone 176.3インチ ProMotionA1948MPメイン + 48MP超広角18MPセンターフレームProMotion初対応、ストレージ256GBから
iPhone Air6.5インチ ProMotionA19 Pro48MPメイン (単眼)18MPセンターフレーム厚さ5.6mm、チタンフレーム、eSIMのみ
iPhone 17 Pro6.3インチ ProMotionA19 Pro48MP x3 (広角/超広角/望遠)18MPセンターフレームアルミユニボディ、ベイパーチャンバー、光学8倍ズーム
iPhone 17 Pro Max6.9インチ ProMotionA19 Pro48MP x3 (広角/超広角/望遠)18MPセンターフレームアルミユニボディ、ベイパーチャンバー、光学8倍ズーム

Apple Watch:健康機能と接続性の進化

Apple Watchは、Series 11、Ultra 3、SE 3の3モデルが発表された。全モデルで健康管理機能と接続性が強化されている。

斜め横から見たApple Watch Series 11

  • Apple Watch Series 11:

    • バッテリー: 最大24時間へと駆動時間が延長され、急速充電にも対応。
    • 接続性: Cellularモデルはアンテナの再設計により5G通信に対応。
    • 健康機能: 新たに「睡眠スコア」機能を搭載し、睡眠の質を詳細に分析できるようになった。また、米国など一部地域で「高血圧通知」機能に対応する。
    • デザイン: 薄型デザインを維持しつつ、アルミニウムモデルは耐擦傷性能が2倍になったIon-Xガラスを採用。
    • 価格: GPSモデルが64,800円から。
  • Apple Watch Ultra 3:

    • ディスプレイ: ベゼルが細くなり、Apple Watch史上最大のディスプレイサイズを実現。
    • 接続性: 緊急時向けの衛星通信機能に新たに対応。
    • 健康機能: Series 11同様、高血圧通知に対応。
    • 価格: 129,800円。
  • Apple Watch SE (第3世代):

    • エントリーモデルながらS10 SiPチップを搭載し、常時表示ディスプレイに対応。
    • 価格は37,800円から。

AirPods Pro 3:健康センサーとAI翻訳を搭載

3年ぶりのメジャーアップデートとなったAirPods Pro 3は、オーディオ性能の向上に加え、健康管理とコミュニケーションを支援する新機能を多数搭載した。

AirPods Pro 3

  • オーディオ性能:

    • アクティブノイズキャンセリング (ANC): 新設計のマイクとフォーム入りイヤーチップ、コンピュテーショナルオーディオの組み合わせにより、ANC性能は第2世代比で最大2倍、初代比では最大4倍に向上し、「世界最高レベル」を謳っている。
    • 音質: 新しいマルチポート音響アーキテクチャにより、低音レスポンスと音場が改善された。
  • 新機能:

    • 心拍数センサー: 新たに心拍数センサーを搭載し、ランニングなどのワークアウト中に心拍数を測定し、フィットネスアプリに記録できるようになった。
    • ライブ翻訳: Apple Intelligenceを活用したリアルタイム翻訳機能を搭載。AirPodsを装着したまま、異なる言語を話す相手との対面での会話をスムーズに行える。この機能は当初ベータ版として5言語で提供され、2025年内に日本語にも対応予定。
  • デザインとバッテリー:

    • 本体はより小型化され、耳へのフィット感が向上。IP57等級の防塵・耐水性能を備える。
    • バッテリー駆動時間はANCオンの状態で最大8時間に延長された。
  • 価格: 39,800円(税込)で、9月19日に発売される。