概要
網戸に隙間が生じる問題は、主に戸車の不具合や網戸本体・建物の歪みが原因です。これらの隙間は、虫やホコリの侵入経路となり、特にゴキブリなどの害虫が侵入・繁殖するリスクを高めます。多くの場合、戸車の高さを調整することで解決可能ですが、隙間テープやモヘアを利用した補修も有効です。それでも改善しない場合や、網戸自体の劣化が著しい場合は、専門業者への相談や網戸の交換も検討すべきです。
詳細レポート
網戸に隙間ができる主な原因
網戸に隙間が生じる主な原因は以下の通りです。
- 長期間の使用による劣化: 網戸を長期間使用すると、戸車のバランスが悪くなったり、摩耗したりして高さが変わり、隙間が生じることがあります 。そのまま使用し続けると、戸車が破損し、開閉が困難になることもあります 。網戸の耐用年数は一般的に5年~10年程度と言われています 。
- 建物の傾き: 築年数の経過や地盤の緩み、地震などにより建物自体が傾くと、網戸の枠が歪んで隙間ができることがあります 。
- 網戸の歪み: 網戸本体が歪むことも原因の一つです 。網戸はガラス窓に比べて軽量で、網が張られている構造のため負荷に弱く、開閉時の衝撃が積み重なることで徐々に歪むことがあります 。また、網戸の枠が外れやすい構造の場合、繰り返しの着脱によっても歪みが生じることがあります 。小さなお子さんやペットがぶつかるなどの衝撃も歪みの原因となります 。
- 戸車の不具合: 戸車がすり減ったり、ゴミが溜まったりすると、網戸の動きが悪くなり、隙間が生じることがあります 。
隙間を放置するリスク
網戸の隙間を放置すると、以下のような問題が発生する可能性があります。
- 虫の侵入: 隙間から蚊やハエなどの虫が侵入しやすくなります 。特に問題となるのがゴキブリで、わずかな隙間からでも侵入し、メス1匹でも繁殖する種類がいるため、衛生面での問題を引き起こす可能性があります 。
- ホコリやゴミの侵入: 外部からのホコリやゴミが室内に入り込みやすくなります 。
- 網戸の落下: 建て付けが悪い状態で放置すると、網戸が外れて落下する危険性もあります 。
自分でできる解決方法
網戸の隙間は、多くの場合自分で調整・修理することが可能です。
戸車の高さ調整
最も一般的な解決方法は、網戸の下部についている戸車の高さを調整することです 。これにより、網戸の傾きを修正し、隙間をなくすことができます。
- 手順:
- 外れ止め(はずれ止め)を緩める: 網戸の側面上部(両側)にある外れ止めのネジをプラスドライバーで緩め、外れ止めを下げます 。メーカーによっては、網戸を外さずに調整できる場合もあります 。
- 戸車の高さを調整する: 網戸の側面下部(両側)にある戸車の調整ネジをプラスドライバーで回して高さを調整します 。網戸が下に傾いている側の戸車を上げて(ネジを時計回りに回す)、網戸全体の傾きをなくします 。少しずつ調整し、網戸を開閉して隙間の状態を確認しながら作業を進めます 。片方の調整だけでは不十分な場合は、もう片方の戸車を下げて(ネジを反時計回りに回す)調整します 。
- 注意点: メーカーや製品によってネジの位置や調整方法が異なる場合があります 。網戸の枠に貼られているメーカー名や型番を確認し、取扱説明書を参照するか、ホームセンターなどで相談しましょう 。電動ドライバーの使用は避け、手回しドライバーを使用してください 。
- 外れ止め(はずれ止め)を締める: 調整が終わったら、最初に緩めた外れ止めのネジを締めて固定します 。外れ止めは網戸の脱落防止のために重要なので、開閉に支障がない程度に上げ、しっかりと固定してください 。
- 外れ止め(はずれ止め)を緩める: 網戸の側面上部(両側)にある外れ止めのネジをプラスドライバーで緩め、外れ止めを下げます 。メーカーによっては、網戸を外さずに調整できる場合もあります 。
隙間テープやモヘアの活用
戸車の調整だけでは隙間が埋まらない場合や、より確実に虫の侵入を防ぎたい場合は、隙間テープやモヘアを使用する方法があります 。
- 隙間テープ: ホームセンターや100円ショップなどで購入可能です 。網戸の枠の汚れをきれいに拭き取ってから貼ると長持ちします 。適切な幅や厚さのものを選びましょう 。
- モヘア: 網戸の側面に取り付けられている毛状の緩衝材です。劣化している場合は交換が必要です 。新しいモヘアもホームセンターなどで購入でき、1m単位で購入できる場合もあります 。
その他の注意点
- 窓の開け方: 窓を中途半端に開けていると、網戸と窓の間に隙間ができることがあります。網戸を使用する際は、窓を完全に左右どちらかに寄せることが重要です 。
調整後のメンテナンス
網戸の調整後は、レールの清掃を行いましょう。小さなハケや歯ブラシなどを使うと、細かい部分の汚れも落とせます 。レールがきれいな状態でシリコンスプレーを使用すると、網戸の動きがスムーズになります 。ただし、スプレー後は軽い力で動くようになるため、開閉時の力加減に注意が必要です 。
直せない場合は専門業者に相談
自分で調整しても隙間が直らない場合や、作業が難しいと感じる場合は、無理をせずに専門業者に相談しましょう 。網戸が古い、穴が開いている、フレーム自体が大きく歪んでいるなどの場合は、網戸の張り替えや交換が必要になることもあります 。費用相場は状態や業者によって異なりますが、網戸の張り替えで2,000円~10,000円程度が目安となる場合があります 。
まとめ
網戸の隙間は、放置すると虫の侵入など様々な問題を引き起こすため、早期の対処が重要です。多くの場合、戸車の調整や隙間テープの使用といった簡単な方法で解決できます。しかし、自身での対応が難しい場合や、網戸の状態が悪い場合は、専門業者に相談し、適切な修理や交換を行うことをお勧めします。